ゲームオーバーがないゲーム
メーカーより
愛は、どこまで貫けるのか 人は、どこまで許されるのか──。
人間の本能、本質に問いかける、大人のためのサイコ・サスペンス。
4日間の拉致後、溺死させ、その手に折り紙を残す奇怪な「折り紙殺人鬼」。
事件の真相を追う4人の主人公達は、それぞれ過酷な状況の中で様々な選択と決断を迫られていく。
その決断を、人は許すだろうか? あなたは、許せるだろうか?
「ゲームオーバー」という概念を取りはらい、
すべての言動、行動の結果、そして最後の結末を、
あなたはその心で受け止めなければならない。
豊かな感情体験と挑戦的なテーマで、
大人が楽しめるPlayStationR3専用ソフトがここにも!
●天秤に掛けられる愛・命・モラル。心をえぐるストーリー
暗く、不気味に広がる連続誘拐殺人犯の存在。そして主人公たちに迫りくる究極の選択。
全てをその手で選択し、実行する、PlayStationR3だからこそ実現できた身に迫る感情体験。
●圧巻の映像表現とプレイシステムの融合
プレイパートも物語(ムービー)も、全てリアルタイムに3Dで展開。
行動に合わせてシームレスにドラマが進行する。
●秀逸、意味深なドラマ演出
ひとつひとつの行動に、ドラマチックで意味深な演出をほどこす映画のようなカメラワークが、
プレイするものの興味を引きつけ、手を止める隙を与えない。
●ゲームオーバーという概念を捨てた、マルチエンディングシステム
主人公たちが何人死ぬことになっても、それぞれに「エンディング」が用意され、一つの作品として
完結する構成になっている。20以上の全ての行動が展開に多様な紆余曲折を与えていく。
ゲームオーバーがない。
プレイヤーが操作する登場人物が死のうが、続く。
自分の行った選択がすべてストーリーに影響するという斬新きわまりないシステム。
だが、これは……。
正直に言うならば、なんだかんだ言って自由度が低い。
たしかにモーションや様々なアクションがあることはある。だが、ストーリーに関わると言うほど自由度はない。
選択権が少ないといったところか。
エンディングは20以上とあるが、似通ったものが多く、「ここであの人が死んだらどうなるのだろう」というユーザーの予想がその通りエンディングになる感じ。違った形の事件の真相を求める人には、残念なソフトだと思う。
操作はSIXAXISを含めたコントローラを使ったものとなる。
最初は既存のゲームにはない操作方法(R2で前進など)に戸惑い、ストレスを感じるかも知れない。
おそらく、初代『バイオハザード』の操作性と同じで、ユーザーが最初は戸惑い、焦らせる仕様で徐々に慣れてくるという感触を目指したのかもしれない。
おかげで、なかなかスリル満点で、息を呑む展開に身を投じ、アドレナリンが出る。
私は十時間ほどで1周クリアした。
ストーリー面はネタバレになるので触れたくはないが、ミステリーを期待する人間はがっかりしてしまうだろう。
整合性が取れていない感じがする。作りが甘いというか。。。
あくまでテーマは『愛』であり、その観点では良いヒューマンドラマだとは思う。
肝心の周回プレイによるシナリオ分岐だが、2周目の食指がなかなか動かない。
というのも、リアリティを追求した結果か、ほぼすべてプレイヤー操作の必要なシーンであり、1周目と同じ場面をまた操作させられるからだ。既存のゲームのようなムービースキップする場面はないのである。
飽きが来ることは避けられない。
チャプターから始めることができることにはできるが、いかんせんこのゲーム性とシナリオ分岐のバランスが悪い。
1周目に限り面白かった。
ゲーム界のマンネリを打開する意欲作ではあるが、あくまで意欲作止まりで傑作には遠い作品だと思った。
プレイの価値はあるが、あまりオススメできるものではない。このゲームを生かした新たな作品に期待はしたい。
評価:★★☆☆☆
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