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無駄に学術的。


伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

内容(「BOOK」データベースより)
カリスマ・トレーダー、リチャード・デニスとウィリアム・エックハートが教育した常勝投資軍団「タートルズ」。ほとんどのメンバーが未経験だったにもかかわらず、わずか2週間の研修プログラムによって、マーケットで次々と巨額の利益をあげていった。当時19歳の最年少タートルだった著者も、わずか4年で 3000万ドルを稼ぎ出す。一体彼らは、どんな手法を伝授されたのか?業界を席巻しながらも、多年秘密のベールに包まれてきた“タートル流”の全貌を、軍団の最高エリートが初めて明かす。




タイトルが長くなるので、こちらに書いておきます。 飯尾博信+常盤洋二 (監修), 楡井浩一 (翻訳)です。

よくある投資の理論本。こういった本は今の自分には読んでもあまり仕方がないと思っているが、投資を始めた当初から積んでいたので、せっかくだから自分の今の理論と照らし合わせる意味でも読んでみることにした。
『タートルズ』という投資軍団の投資論が書かれているようだ。

章立ては以下の通り。

●序章『ピットのプリンスに拝謁した日』
著者がタートルズに入った話をして導入部としている。

●第1章『リスク中毒』
リスク中毒と題し、トレーダーの生態系を説く。トレーダーと投資家が違う意味を示していることは初めて知った。スカルパー、投機家、ポジション、ティック、など投資に関する言葉の説明もされている。

●第2章『タートルの心をなだめる』
投資本でよく見受けられる投資家が陥りやすい心理を取り上げる。これを克服、または他の投資家のこういった心理を上手く絡めとることが投資の基本であると常々感じる。そして、実際のタートル流トレーディングによる取引方法の紹介も行っている。タートル流とあるが、トレーダーが行うよくある基本に忠実な取引方法で、その取引方法の分析もしている。

●第3章『いちばんきついのは、最初の200万ドルだ』
タートル養成講座で、著者が学んだ内容を教える。確率論や統計学といった部分が多く、ギャンブルにも通じる知っておくべき知識である。著者の講座時代に行った取引の例もある。一見、自慢話ではあるが、忠実な取引が長期的結果では功を奏するという信念は参考にすべきである。

●第4章『タートルのように考える』
ここでは実際の取引で何を考えていればよいか、意識の問題を取り上げている。第2章の心理面と第3章の確率論を合わせた結果、こういう態度で取引に臨めばよいという結論が導かれるのは客観的には明らかである。

●第5章『エッジのある取引をする』
エッジとは、ギャンブルで聞く用語らしく、優位性とも訳される。つまり、カジノ側に強みがあるギャンブルと同じように、取引にもエッジのある取引を狙う必要性を説く。そのエッジの比率を計算する方法も書かれている。訳のせいかもしれないが、話が少し難しくなってきた。

●第6章『エッジから転落する』
ここでは、支持線と抵抗線を利用して、エッジを見つけることについて述べている。順張りか逆張りかで判断が難しいところではあるが、ごくごく一般的に考えられる支持線と抵抗線の理論である。

●第7章『リスクを測る』
投資家にとって最も注意するべき点でもあるリスク。それを的確に理解し、リスクに見合った投資をすれば、精神的にも利潤追求の面でも安定する。そのリスクを測ることについて述べる。当然ではあるが、リスクを測るということに合わせて、それに見合ったリターンも測る。

●第8章『リスクと資金管理』
ここでは、リスクと資金管理ということで、破産の可能性などを考慮した資金管理について考えている。ただ、具体的な数字については触れておらず、著者自身、そういったものは理論ではなく、芸術や宗教であるため答えが無い、と述べている。リスク許容について、いくらストップを引いていても関係の無い価格ショック(暴落)などの事態にも対応した考えである。

●第9章『タートル流積み木』
テクニカル分析のツールについて述べる。簡単な紹介にとどめており、各々の具体的な部分については後の章で述べる。

●第10章『タートル流トレーディング:一歩ずつ』
難しい知識や複雑なツールは要らない。ごく単純なツールを用いていけばいい。……といった感じで薦めるテクニカル分析の数々を紹介。手法別のバックテストも行い、どれが一番儲かるかというところも書かれている。その結果の判断はともかく、単純な取引手法で充分なのだと納得させられる。ストップは無い方がいい、なんてセオリー外の発想も充分ありうると思わせる内容だった。
その一方で、疑問も沸く内容であるが、それについては第11章にて明かされる。

●第11章『バックテストのうそ』
バックテストにありがちな罠を紹介する。バックテストの誤解や過信として大きく分けて4つの要素があり、システムトレードを心がけている人には、「なぜバックテストは高リターンを弾いているのに、実際に上手くいかないのか」と思う人が多いかもしれない。そんな人へのアドバイスである。

●第12章『地に足をつけて』
第11章で述べた部分を回避する方法が挙げられている。適切なバックテストを行うためにはどうすればよいのかがわかるためシステムトレーダーにとっては垂涎の章といえる。私の理解力が乏しいのか、詳しい話になると、何を言おうとしているのか分からないことが多かった。ただ、論旨だけはわかる。

●第13章『隙のないシステム』
本章では、第12章までを踏まえて、より堅固なシステムを構築する為の方法を記す。どの市場で取引するか、どのシステムで取引するか、などの判断を掘り下げる。

●第14章『心の悪魔を手なずけろ』
裁量トレードを好むトレーダーに対する警句らしき章。心の悪魔と闘う姿を経験談を交えて説いている。

●エピローグ『人生の目標は何か』
●ボーナス章『タートル流トレーディング規則原本』

それぞれのタイトルに添った内容のコラムらしき章。



全体的に著者の意図がぼやけて聞こえる。私の理解力が乏しいのもあるかもしれないが、おそらく和訳のせいであろう。
心理面やテクニカル分析に対して全般的にアドバイスをする投資の教科書的内容だが、具体的な部分は意図的に避けており、他書に託す形となっているため、どうしても抽象的な印象がある。
そういった点で、投資に夢を抱く初心者は読んでおくべき内容ではあるが、イマイチ伝わらない部分もある。
初出の時に説明こそあるが、ATRやCBO、CAGRといった略語が当たり前のように使われるので、分かりにくい感じはあった。そういう点で、非常に専門的かつ学術的に述べている節があり、実践性には乏しい印象を受ける。心理面、心がけるポイントなどの記述は、投資をする者にとって非常に有益である一方で、説明がいちいち冗長に思えた。

何か投資についての英知があるかと期待した人からすれば、読み終えて「え?それで?」となるかもしれない。


評価:★★☆☆☆

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