此の世は、ゲーム。
内容(「BOOK」データベースより)
「上司と部下の人間関係」、「企業間での競争」、「政治のかけひき」。ゲーム理論では、あらゆる問題をひとつの「ゲーム」ととらえます。起こっている問題がどのような構造になっていて、どんなルールに支配されているかを考える際、その全体像を「ゲーム」と呼んでいるのです。あらゆる問題を「ゲーム」として見ることができれば、「ゲームの構造(問題の本質)」を俯瞰的に見ることができ、より質の高い思考を行なうことができます。本書の目的は、ゲーム理論の代表的なゲームを学びながら、その「戦略的思考」を身につけることにあります。
経営学などのビジネス書でよく耳にするゲーム理論という言葉。具体的内容を知らなかったので、本書を取ってみた。
●序章『ゲーム理論で「3つの力」を手に入れる』
●第一章『囚人のジレンマ ~ゲーム理論入門~』
●第二章『コーディネーション ~「有利な市場」をつくりだす~』
●第三章『3つのゲーム ~利害関係の多様性を知る~』
●第四章『ダイナミック・ゲーム ~「時間的な視野」を広げよう~』
●第五章『人間は「不合理」に動く ~感情+ゲーム理論~』
VHSとベータ、ブルーレイとHD-DVDの市場競争から、キューバ危機まで様々な社会問題をゲーム理論を用い、状況を客観的に捉えることのできる力を養うことができる本だ。
こういった状況下にあるA社とB社はどのように行動をするべきで、どうすればもっとも双方に良い結果になるか、といったことが展開される。
本書に書かれている内容は、何となく過ごしていると、わかっているようでわかっていない部分が多い。
例えば、A社が市場を独占している地域にB社が参入しようとする場合、参入するべきか否か、また参入された場合、A社は徹底抗戦するべきか、共に市場を確立するべきか、というもの。
また、1から順に3回連続まで数えていいローテーションゲームで『10を言った方が負け』のルールの必勝法もこのゲーム理論で理解できる。
この手の本を読んだことがなかったので少し新鮮だったのだが、読み終えてみて何が心に残ったかと言われると、少し言い淀んでしまう。ゲーム理論について全くの無知であったが、本書はそんな自分にもわかりやすい分、少し浅い印象で、もっとゲーム理論について知りたいという気持ちが残る不完全燃焼な読後感だった。
ゲーム理論が社会や経済面でどのように活用されるのか、という点は非常にわかりやすく、ちょっとした雑学気分で読める内容だが、これを自分の人生で活かしていこう!というには難しいかなぁ、という感触。
まさにタイトル通り、ゲーム理論による戦略思想の技術を教えてくれる内容であり、それ以上でも以下でもないかな、と。
入門書のような位置づけと思われる。
評価:★★★☆☆
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