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どこまでがニーチェの記述なのか


超訳 ニーチェの言葉
内容(「BOOK」データベースより)
あなたの知らなかったニーチェ。今に響く孤高の哲人の教え。








少し前から書店でよく平積みされていた本。哲学は少しかじったことがあるが、ニーチェについては無知に等しい私。著作を読むほどの気合いもなく、簡単に内容を自己啓発に活かせそうな本ということで気になっていた。
哲学に精通している方の翻訳と言うこともあり、誤訳・曲解もなさそうで安心である。

1ページに一つの言葉と引用した原本とその解説が載っている構成。
しかし、よくよく考えてみるとこの構成は、ニーチェの言葉をかみ砕き、自分なりにアレンジして自己啓発書として活用している翻訳者の言葉ではないだろうか。
そういった点で気に入らない人にはその時点で購入を控えた方がいいかもしれない。

章題は以下の通り。

●第1章『己について』
人間関係において、自分をどうとらえるべきか、といった類の警句を引用している。個人的には「一日の終わりに反省しない」の項は実践したいと切に思った。

●第2章『喜について』
喜び、喜ぶことについての重要性を説く。人生において喜びとは何なのかを探求した結果を自己啓発的にまとめている。

●第3章『生について』
この世に生を受けた身として、生についてを説く。生活面、人生、生き方といった点での言葉となる。これといって感銘を受けた言葉はなかったが、いいことは書いている。

●第4章『心について』
人間として生まれた我々に宿る心というもの。それについての哲学的見地を咀嚼した言葉たち。私の想像力が乏しいのか、抽象的すぎて伝わりにくい部分があった一方、まるで自分のことを言っているのではないか、と思うほど心をえぐる言葉もあった。

●第5章『友について』
人付き合いの中でも特に友についての記述。友達とどう付き合うか、どういうものが真の友と言えるのか、こんな具合に、友に関した徳を示す。

●第6章『世について』
漠然とこの世の中についてを説いている。噛めば噛むほど味わい深い言葉が多く、的確な比喩もたくさんあり、いかにも哲学といった内容だ。

●第7章『人について』
人となり、人間性、人間としてあるべき姿についてを述べている言葉。「こうしなさい」「こうありなさい」というような押しつけがましさよりも、「こういう人(行動)は得てしてこういうものである」という急所を付くような特徴を的確に捉えたものが多い。

●第8章『愛について』
男女の愛、家族愛、愛の形、愛が生み出す力、愛と勘違いしてしまうもの、など、愛に関する事柄が端的かつ鋭く書かれている。読んでいてなんだか心が暖かくなってきた。

●第9章『知について』
知性、知ること、学ぶこと、教育、など頭を使うこと全般についての言葉。本を読むことが好きな私には、なかでも『本を読んでも』『読むべき書物』の項は頭に留めておきたい内容だった。また、若輩の自分には察しかねる言葉もあり、その意味がわかるよう努力したいと思う次第だ。
特に、自分は知的な方だと思っている人、読書家、冷静で現実主義な人は読んでおくと面白いかもしれない。

●第10章『美について』
容姿などの美というよりも、理想や夢、自制、節制、矜恃など人生にとっての美しさを述べている印象。私たちがどう生きていくことが美しいか、という点を述べているあたり煙たく感じることもある。



前述したとおり、アドバイスはニーチェの言葉を超訳としてかみ砕いた著者の言葉である。

章ごとの感想にも述べているとおり、かなり的を射た言葉が多く感じられた。あなたが思っているものとニーチェの言葉はどの程度整合しているだろうか。占いと同じバーナム効果だろう、と思うか、真理を突いていると思うかそれは読者次第。
いいことを書いてはいるが、前後の文脈やニーチェの思想の根底が読者に伝わってこないため、そう解釈していいものかは学者気質な人には疑ってかかるべきところだ。


少なくとも間違ったことは書かれていない、いいことが書かれている。哲学という分野で真理を求める、哲学に興味を持つ人の気持ちに答える内容ではあると思う。ごくごく一般的に「哲学者が考えてる人生観を知って自己啓発に活かしたい!」と楽に考える人にはその期待に応えた内容である。
ただ、個人的にはどうしても『どこまでがニーチェの言葉でどこからが著者の解釈なのか』という思いが付きまとい、今後日常において「哲学者ニーチェはこう言っていた」と安心して引用できない点でも鼻持ちならない感じがあったため、少し評価が下がる。値段もネック。



評価:★★☆☆☆

超訳 ニーチェの言葉
「超訳 ニーチェの言葉」
 [単行本]
 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
 発売日:2010-01-12
 価格:¥ 1,785

 
 
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