一家に一冊!Part2
内容(「BOOK」データベースより)
薬と病気の知りたい情報がいっぱい。医療機関で用いられる薬を完全に網羅しました。
というほどでもないかもしれない。
前回の
『からだと心の医学事典―チャートで検索』とは少しずれて、本書は薬に特化した辞典。こちらはジェネリックから漢方薬から何から網羅。もちろん索引もある。
どのような病気があり、それにはどの薬を服用するか、可能性のある副作用は何か、といったことが記されているが、第三章以降は、現在服用中の薬が気になった人が「ちょっと調べてみようか」と思って手にする程度にしかなれない気がする。それこそよほどの薬マニアでない限り。
病気に関する説明も充分あるのだが、病気に関してだけ言うとなると、やはり
『からだと心の医学事典―チャートで検索』の方がよい。
各章は以下の通り。
●第一章『薬の知識』
●第二章『病気・症状/薬の解説』
●第三章『漢方薬』
●第四章『医薬品の分類と解説』
しかし、要所要所で人体に関するちょっとした説明も入る。『白血球や赤血球はどんなもので、どんな働きをするのか』といったような内容だ。
また、私が少し目を引いたのは、最初の章。様々な医師がそれぞれの表題に沿って読者にいろいろな知識を与えてくれる。たとえば、錠剤とカプセルでは飲み方が違うということを初めて知った。
わかりやすいにはわかりやすいが、「だからどうしたの」「医者に任せればいいじゃん」と言われればそれまで。逆に、
自分が医者にされるがままなことに抵抗がある人には良い内容だろう。
発想を変えれば、『彼女は神経症を患っており、現在彼女はフルトプラゼパムを処方されていた。このフルトプラゼパムは副作用としてめまいやふらつきが起こる可能性もあり……』といった風に、
薬についてある程度説得力のある内容を知りたい物書きさんには良いだろう。
営業的感想を書くならば、『薬について知りたい内容がすぐに分かりました! 薬に関することなら何でも載っているし、買って損はありません!』だが、個人的には、処方された薬ならまだしも、関係のない知らない薬の情報を見ても仕方がないので、どうしても無駄に嵩張ってしまう。まぁ辞書みたいなものだし、という感想。
本棚のスペースに余裕のある方なら置いておいて損はないが、「興味のない人も是非!」というほどmust buyではないなぁ、と思う。
評価:★★★★☆
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