正解の投資信託はどれだ!?
内容(「BOOK」データベースより)
人気の投資信託にはプロの仕掛けた巧妙なワナがたくさん隠されている。本書では、広告例を通じて「投信のワナ」の見破り方を解説し、その後に、数少ない良質な投信の使い方をやさしく解説した。
FXに株と触ってきて、投資信託についてはあまり勉強していない私。そんな私自身、何も考えずに証券会社の営業に勧められるまま変な投信を掴まされてしまったこともあって、これから勉強して投資信託の方法論を見極めるべく本書を手に取った。
どうやら
2007年に出版された本を2010年にその年向けに改訂した本であり、折紙付の内容のようだ。
章題は以下の通り。
●第1章『こんな投信は買ってはいけない!』
理論よりは実践。そう思わせる内容。というのも、
買ってはいけない投信を著者のオリジナル広告によって宣伝しているのだ。知識のない読者としては「え?お得じゃないか!」と思わせる投信の数々だが、すべて致命的欠点をバッサリぶちまけてくれる。
この章だけでとても勉強になる。
●第2章『これだけ知っておけば金融機関にだまされない!』
第1章と似た内容になるが、
「なぜ投信では損をするのか」という点で、より具体的な解説をしている。基本的に金融機関が儲かる仕組みになっているのだが、その核心を突く形だ。
●第3章『では、どんな商品を買えばいいのか?』
章題の通り、
「これだけ投資信託の悪態を吐いておいて、どの商品が結局いいのよ?」という疑問に答える章。回答は大きく分けて3パターンの投資方法が提案されている。その利点と手数料や信託報酬面についてを言及している。
●第4章『世代別にみる、投資信託の活用法』
ここでは、
リタイア直前やリタイア後の世代と、20~40代のガッツリお金を作っていきたい世代に分けて、投資信託のアドバイスをしている。やはりリタイア前後は資産が暴落などに巻き込まれるとリカバリーが効かなくなるので、リスクヘッジが重要といった感じ。一方で、若いうちは使わない金を預金に回すくらいならじゃんじゃん投資するべし、ということ。
●第5章『投信の疑問にすべて答えます』
元本割れのリスク対処と許容範囲の考え方、運用状況の把握の仕方、資金流出入の見方、リタイア後の解約のやり方などなど、
4章までの内容では疑問や不安の残る部分を解説。
「あまりよくわからないけど、儲かるじゃん!」という感じで、証券会社の営業の勢いに乗せられて購入しないためにも、本書は投資信託において必読書と言える。
しかしまぁ、アクティブ型は実質情報弱者のファンドとして扱われているようだが、存在している以上、契約してしまうお客様が絶えないと言うことだろうか。
不満点があるとすれば、もう少し易しく投資信託商品について説明して欲しかった。インデックスやバランス型といった分類と定義(必ずどれか一つに分類されるってわけではないのかな)、運用方針の具体的に突っ込んだ部分(MSCIコクサイ・インデックス、円換算ベースやら円ベースやら、MMF、NOMURA-BPI総合、そもそもよくわからない)などなど、これから手を出す身としてはあやふやな点、わからない点が多い。
「これやっとけばいいよ」って感じのところはあるので安心なのだが、人生がかかっている長期的投資だけにもっと勉強して慎重に本書でそれを薦める理由について考えたいところである。
そもそも、その投資信託は本当にリスク管理はここに書かれていることだけで充分なのか、元本割れの可能性は書かれている以上に存在しないのか、などもあるが、そこは本書を信頼したい。
評価:★★★★☆