やさしい、やさしすぎるぞ!
内容(「BOOK」データベースより)
現役東大生だからできる、膨大な株式情報のエッセンスをわかりやすく、コンパクトに!入門書の決定版。
対話形式で非常に分かりやすく丁寧に書かれている。某池上彰氏の番組のようなわかりやすい説明だ。
章構成は以下の通り。
●第一章『株ってナンダ?』
そもそも株とは何なのか? どこがどのように売っていてどこで取引できるのか? 口座の作り方、証券会社の選び方、株の買い方、銘柄の選び方、株のメリット・デメリットを説明する。
これから株を始めたい初心者向けに株についての要所をおさえた章。
●第二章『良い銘柄・悪い銘柄ってドコを見るの?』
この章は企業分析のイロハを教えてくれる。具体的には、損益計算書や賃借対照表(バランスシート)、PER、PBR、ROE、自社株買い、増資、減資などについてだ。それについての説明だけでなく、
その中でも注目するべきポイントも解説しているので、銘柄の評価に関する膨大な情報量の片鱗に頭がパンクせずに済みそうだ。
●第三章『株が上がったり下がったりするのはナニが基準?』
ここでは、まずバブルについて取り上げ、株の上下について教えてくれる。そこから株が上がったり下がったりする要因と情報収集について取り上げる。
章末のおまけに日経新聞や会社四季報の読み方、業界展望や業界動向について業種別に解説している。非常にありがたい内容だ。
●第四章『株式ゲームの時間です!』
ここでは、
今までの理解度を試すために、N天堂社が開発した株式シミュレーションゲームをプレイする章。『常識力』『業績分析力』『チャート分析力』『企業内分析力』『企業外分析力』『応用力』の分野に分かれ、5問ずつ用意されている。株を始めようとした私は企業内分析力に乏しいようだった。増資・減資などに対する株価の影響を第二章に戻り復習せねばならない。
それぞれの分野のテスト結果を、「恋愛に例えるなら……」と書いてあるところがさりげに面白かった。
●第五章『銘柄選択のリアル』
ここでは、トヨタと日産、花王と資生堂、シャープとソニーのそれぞれを、2002年までのデータからファンダメンタル分析とテクニカル分析を行い、どっちに投資するか二者択一式の実践問題のようなものが取り上げられている。
そこから、どう分析するべきかの答えが載せられており、2003年の株価の動きとその要因の考察についても書かれている。
ここを読めば、分析力に磨きがかかるだろう。
株をやったことのない私だが、始めてみようと思う人にピッタリの分かりやすい内容だった。これから株をやっていこうと思っている身としては、「いろいろ見るべき点が多いな…」という感想。だからこそ、ありがたく本書を活用していきたい。
とは言え、おそらくこれは必要最低限の内容であり、あくまで初心者向けの解説のはずだ。
がっつりデイトレードしたい方には、もっと他書を読む必要がありそうだ。特に、テクニカル分析に関しては薄い気がする。それだけ株はファンダメンタルが重要なのかもしれない。
その点は、未経験者の私には断言しようがないので悪しからず。
要は、
株勉強の最初の一冊に向いた、非常にわかりやすく、実践面もあり、良書である。
後日追記:
株を実際始めて取引をしようと思っても、本書だけでは至らない部分が多々あった。主に、口座の開き方(特定口座だの一般口座だの)や確定申告、注文などの方法です。
なので、株そのものについて知りたい人にはいいですが、実際に株取引をして儲けたいという人には本書だけでは心許ない。
やさしい本というよりも、やさしすぎて至らない部分が多い本だ。
評価を下げさせていただきます。
評価:★★☆☆☆
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