現代の教育問題といじめ問題がここにある
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカで生まれ育ったユーこと小野田雄一郎。ダーティー・ユーと揶揄された事もあるが、そうした差別は、周囲の協力のもと解決してきた。その彼が父親の仕事の都合で帰国、中学二年に転入した。日米の「教育」の違いに戸惑うユー。親友の校舎屋上からの転落死をいじめによる自殺と見たユーは、正義の闘いを開始する。社会派作家が日本の教育にメス。
アメリカ生まれのユーと、いじめの被害者伸一を取り巻く、深刻ないじめ問題を取り扱った小説。
いじめだけでなく、アメリカと日本の文化の違いを初めとした、日本の現在の教育問題や法律・マスコミ面の対応を深く考えさせられる作品である。
社会派作家が日本の教育にメス! の通りである。
社会派の小説はまさにこれ!って感じの仕上がり。なんだか日本が嫌になってくるくらいだ。
「小説内だし、さすがに誇張だろ」と言いたいのも山々だが、こんな話以上に陰惨ないじめが渦巻いているのが日本だと思う。
これを読んだから、と言って何かが変わるわけがない。
読んでから、悲しい、辛い、こんなこと許せない、と言うのも一過性。
結局、直接関わり合いにならなければ、他人事。見ても見ぬ振り。できれば関わりたくない。
関われば世間的にもまずい。
あぁ、これが日本文化。最低ですね。
なんとかならないのかねえ。
「ここは、俺がなんとかしてやる!」となれない平凡な日本人な私。
主人公ユーの熱いスピリットが教師、校長などの教育現場、ひいては政治家さんにまで届くことを祈るばかりです。
少年法も改正したし、どんどんいじめ無くしていこうぜ。
評価:★★★☆☆