手に汗握る医療ドラマ
6人の医師とあるように、このゲームでは6種類の医療行為に従事することが出来る。
個性豊かな6人と、多種多様な医療(ゲーム性)はすべてがメインディッシュになりうる。
自分に合わない(面白いと感じない)医療はあるかもしれないが、それはそれで気分転換となるかもしれない。
6人別々のシナリオは後に繋がりを見せるが、どのシナリオを進めるかはプレイヤーの自由。
どれをオードブル、メインディッシュ、デザートにするかは自分次第だ。
さて、その6人の医師は下記の通り、キャラクターにも魅力があるが、ここではゲーム性の解説をしたい。
1~4のオペには、難易度選択もあるので自信のない人、またはやりこみたい人も安心である。
1.救急救命医
罹災した人々、事件に遭遇した被害者を救命措置を行う。
複数の被災者に応急処置などを施すため、トリアージ(治療の優先順位)も自ら判断した上で、全ての患者を助ける。
全体を通して、臨場感が半端じゃなく伝わるゲームだが、その中でも群を抜いている。
2.外科医
このゲームの前作とも言える『カドゥケウス』シリーズと同じだろうか。(カドゥケウスはまだプレイしていませんが)
オペ室で執刀を行う。素早い医療行為が必要とされるので、器用さが問われる。
3.内視鏡医
人体の内部から患部に迫る内視鏡操作。なかなか視点的に酔ってしまいそうになる。
操作がなかなか難しく、繊細な作業を要する上、患部を素早く発見する観察眼も必要となる。
4.整形外科医
主に骨を治す。削ったり、人工骨を形成したり。
ゲーム性としては、内視鏡と同じく、繊細かつ正確な操作を要求する。
上手くやり遂げたあと、つい「ふう!」と息をついてしまうほどの緊張感を味わえる。
5.検死官
遺体や遺留品から事件を推理する推理アドベンチャー要素の強いパート。
他に比べ、ストーリー的にも展開的にも重たいが、じわじわと真相へ近づいていく感覚はなかなか面白い。
また、頭蓋骨の復元や現場検証といった要素もあり、デスクワークに留まるわけではない。
6.診断専門医
患者の病気を確定診断するパート。こちらも検死官と同じくオペは存在しない。
問診、視診、聴診、レントゲン、心電図、分析検査などを通して、病名を突き止める。
患者から窺える症状からの診断は、知的好奇心を満たしてくれて、頭が良くなった気分になれてしまう。
文面だけでは伝わらないと思うので、気になる方は是非公式サイトへ行き、ゲーム内容を実感していただきたい。
個性豊かなキャラクターもそちらで確認してほしい。
ストーリー。
初めの頃は、各キャラクターはそれぞれ違ったシナリオを進めているようだが、徐々に収束していき、最後には大きな課題に挑むことになる。スタンダードな群像ものといったところ。
『それは、体験する"命のドラマ"』という公式のキャッチの通りだ。
エンディング曲も、ぱっと聴き微妙な印象だったが、ドラマを見終えた後に和訳と共に聞くといい曲に聞こえてしまう。
これぞ、ドラマ効果。
クリア後の追加要素もなかなかやりごたえがあるので、挑戦してみるべし。
私的にはストーリーよりもゲーム性が素晴らしかった。
Wiiならではのコントローラ操作のおかげで、実際にオペをしているかのような感覚に陥る。
たとえば、コントローラをつまむようにボタンを押すことで、ピンセットでつまむ操作になる、といった具合だ。
ボリュームも充分で、やり込み要素もあるという、なかなかパーフェクトな作品。
続編を早くも切望している。
評価:★★★★★